教えてドクター 妊娠にふさわしい体とは?

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第2回 妊娠にふさわしい体とは?

第2回インタビュー

妊娠したいネット:
先生は、薬学のご専門でいらっしゃいますが、先生からご覧になって、現代の女性の不妊についてどうお考えでいらっしゃいますか?


大倉先生

大倉先生:
不妊の原因、それは産まれたときからもう既に問題があるのです。
つまり、妊娠にふさわしいカラダになっていないのです。

昔は、食生活も質の良いものを食べてました。天然界のものを、食べていたわけです。
それに太陽のエネルギーを充分に浴びて屋外で足腰を使うような仕事をさせられていました。

でも今はほとんど家の中での生活が中心になって、成人するまでの期間の運動量が非常に少ない、つまり内臓の発達が悪いんです。ホルモンを分泌する信号を脳から出さないから、それに耐えうるような内臓機能になってないのです。

妊娠したいネット:
でも、栄養的にもカラダの成長も、現代人の方がよほど発達しているのではないですか?

大倉先生:
それは、表面的なもの。質は非常に落ちてますね。
カラダは立派でも、目に見えない部分が成長していないんです。
何を食べているか、どう過ごしているかが重要なんです。
同じ時間を過ごしても、質の良いものを食べなければダメなのです。

今は自然界の環境がが荒らされて質がいい材料が手にはいりません。
太陽のエネルギーを充分に浴びた天然の素材を口にするのとハウス栽培で育つものを食べるのでは、味も違えば、成分も違うし、エネルギーも違うでしょ?

人間は、自然の恩恵を受けて生活をしているのですから、この自然のサイクルが崩れているのが、ひとつの大きな原因だと考えています。

では、食べるものに関して、アミノ酸のブームですがここでアミノ酸についてちょっとお話しましょう。まず一口にアミノ酸と言っても、天然のアミノ酸はすべてαアミノ酸であり、L体です。
アミノ酸を必然的に分類すると、光学異性体としてのL体とD体というものがあるんです。この二つは互いに鏡像の関係にあり、重ねあわせることが出来ないのです。これを、野依良治博士は、L体とD体の有機分子をより簡便で立体選択的に生産し分ける方法の開発で2001年にノーベル賞しました。
>> より詳しいアミノ酸の情報はこちら 【アミノ酸コラム】

私たちの体でタンパク質を生合成することが出来るのはL体、一方D体はタンパク質合成ができない合成されたものです。そして人間の手で、アミノ酸合成を行いできてくるものはD体とL体の間の混合物で、すなわちDL体と呼ばれます。身体の細胞の原料になるのはL体で、一般的な合成アミノ酸はエネルギーとして消費されるだけです。

アミノ酸だったらどれでも身体によい」と言って何でも過剰摂取すれば良いというものでもありません。天然界の(植物)ものを摂取している限り、環境ホルモン等の影響を受けることは、まずないのですが、合成されたもので天然の中のと異なる生理活性を持つ物質を摂取すると何らかの影響を受けないとも限りません。

妊娠したいネット:
単にアミノ酸が良いと言っても、それをどういう形で摂取するかをよく自分で見極めないといけないですね。

大倉先生:
そうです。いくらアミノ酸が良いと言っても、個人個人吸収の能力が違うし、体型も年齢もその個体の持ってる資質はすべて異なります。

ですから、この健康飲料がいいからといってやたらと、摂取していいものでもないわけです。
皆さん、これが良いと、テレビなんかで放映されると、さっと飛びつきます。
でも何かマイナス面が紹介されると、またさっと引いてしまいます。

例えば、春に食べるわらび、これは灰汁が強い植物ですが、この灰汁から発ガン物質が取り出されたとどこかが報道すると、途端に、わらびを食べるとはガンになるって騒ぐ。

でも、わらびなんて、そんなに沢山毎日食べますか?春を感じる野菜として、その季節ならではの食物だし、昔からの生活の知恵で食にする時は、必ず灰汁抜きをしていますね。
灰汁の方へ大部分の発ガン物質は移行していますのでほとんど問題はありません。そんな少量で急にがんが発生するとは思えません。

一方、例えば、柿ピー、ビールのおつまみに毎晩食べてるでしょ?
少し古くなって湿気ったようなピーナッツにつくカビには、微量でも、毒性の強い、アフラトキシンという発ガン性物質が含まれてるのですが、それを頻繁にアルコールと流し込む方がよっぽど、危険。
ですから、あまり情報に左右されないで、自分できちんと選択する、人任せにしないことが大切ですね。

季節季節の「旬」の食物を摂ることです。
旬の食物を摂るということには意味があって、次に来るべき季節を乗り切るための体力づくりに備えるものなのです。春には、迎えるべき梅雨や、暑い夏をのりきれるための食物を摂る、そして、秋冬を過ごすための食物を摂る。

夏はカラダを冷やすもの。
冬はカラダを暖めるものを食べる。

それに、原則としては自分の育った環境に近い、その土地土地にある食物をすぐに調理をして食べるのが一番良いでしょう。今は流通やバイオの発達で、南洋のものであろうが、北のものであろうがいつでも食べられる、四六時中手に入ることの疑問を持たなくてはだめですね。

また、日本の伝統行事もみなおして欲しいですね、「お正月」「節分」「ひなまつり」「節句」etc.
これらはすべて健康を願った行事です。この行事を家族ときちんと過ごすということは、きちんとした意味があるのです。例えばお正月の「屠蘇」に用いる屠蘇散には18種の生薬が含まれています。これを家族でいただくのは、「今年も1年家族が健康でありますように」という意味があるからです。今の若い人達に、もう一度こういったことも見なおして欲しいですね。

妊娠したいネット:
季節感のなさは、やはり問題でしょうか?

大倉先生:
ええ、季節感がないことで、生活事態も春夏めちゃくちゃでしょう?
若い人は流行に左右されて、冬でも半そでだったり、夏にお腹を出してみたり。
不妊の最大の原因は、冷えですよ。

カラダを冷やすことが一番の諸悪の根源なんです。
冷えというのは、つまり血液の微小循環が悪くて、骨盤内のうっ血がおこるわけです。過剰な暖房、過剰冷房という環境も問題。
冬は寒いものだし、夏は暑いもの。
それに対して、服装や生活スタイルを工夫すれば良いのに、周りが合わせるようでは、カラダの訓練ができないわけです。

婦人病といわれるほとんどの病気は、冷えが原因になっていることが考えられます。赤ちゃんが宿るには、その赤ちゃんの居場所を居心地良くするために柔らかく、暖かくしてあげなければなりません。
そんな、冷え切った不毛のツンドラ地帯に生命が宿るわけがないでしょ(笑)。
苗床は、柔らかく、暖かく整えることです。

妊娠したいネット:
不妊の原因のひとつとも言われている活性酸素についてどう思われますか?

大倉先生:
活性酸素=ラジカルが発生することです。
酸素ってO2ですよね。酸素原子がふたつあって初めて安定する。でも酸素原子がひとつの状態ですと活性化している電子も存在するため、すなわちラジカルが一人歩きして悪さをするわけです。
もともと生体にはこれらのラジカルを消去する酵素が備わっているのです。

普通若いときには、コエンザイムがいっぱいでて、ラジカルと戦い消去してくれるので問題がないのですが、加齢や、悪しき習慣のタバコやコンビニの食事ばっかりしていると、ラジカルが増えすぎて、コエンザイムの出し方も少なくなって追いつかなくなりラジカルを消すことができなくなって他のものと反応=つまり病気を引き起こすわけです。

妊娠しやすいカラダづくりというのは、実は環境ホルモンだ、活性酸素が増えたからだ、とか何かのせいではなくて、自分でその原因を作ってしまっていることが多々あって、食生活や運動など、自分自身で改善できることがたくさんあるんです。
まずそこを改善して、それで足りないものをサプリメントなりで補って効果が得られるわけです。
これから妊娠を望む方は、まずご自分のライフスタイルを見つめなおして欲しいですね。

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取材後の感想

冷えたカラダでは妊娠できないとおっしゃられ、改めて冷えの怖さを知った次第です。
柔らかい苗床をつくる、ために今からでも改善することがたくさん見つかったような気がいたしました。
また、流行モノに左右されない、自分のライフスタイルにあった、食事や運動、サプリメントの取り入れ方を自分で設計することも必要なことだと感じました。
昔のおばあちゃんの教えには、きちんとした意味がある、おばあちゃんの知恵袋とは良く言ったものです。
核家族化し、伝統的な言い伝えが継承されていない昨今、大先輩の知恵に耳を傾けなくては、と改めて思いました。

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大倉 多美子(おおくら たみこ)先生プロフィール

薬学博士 慶應義塾大学医学部先端医科学研究所
元本学看護短期大学講師
中国医科大学客員講師

東京生まれ。
1965年 東京薬科大学卒業、東京大学にて薬学博士号を授与。

日本薬学会評議員を歴任、現在、国際東洋医学会評議員、東京薬科大学評議員、日本臨床中医薬学会評議員、日本女性科学者の会理事、メディアサーブ審議会委員、 東洋医学未病対策研究協会副会長、アクテイブクラブ理事(NPO)、日本アロマテラピー活動サポートセンター理事(NPO)の役職を務め、大学の教鞭と自らの特許である予防 診断システムの研究開発を手掛けるかたわら、各地での講演や執筆活動など幅広く活躍。

所属団体

日本老年医学会、国際東洋医学会、日本和漢医薬学会、日本薬学会、日本薬理学会、日本生理学会、日本神経化学会、日本分子生物学会、日本生薬学会、日本代替、相補/伝統医療学会など。

著書

高純度化技術体系3巻 “天然生理活性物質の高純度化”(フジテクノシステム)
続医薬品の開発5巻 “ 生理活性物質の単離と精製”(広川書店)など

講演

公文教育研究会、岡山県勝北町ふるさといきいき村づくり、町田市役所、母と子の理科実験教室(日本女性科学者の会)、東医協代替医療コンベンション、統合医療臨床研究会など。

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